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CLOVA Chatbot開発前の注意事項
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Classic/VPC環境で利用できます。
チャットボットサービスを作成する前に考慮すべき事項を説明します。
サービスの目的の設定
チャットボットサービスは、サービスの目的に合わせて作成する必要があります。チャットボットを作成する前に、サービスの目的を具体的に設定してください。
例えば、チャットボットの目的を以下のように設定できます。
- 既存の問い合わせ対応チャネル(サポートセンターのコール、メール相談、チャット相談など)に加え、もう一つの問い合わせ対応チャネルを追加
- 既存チャネルに流入される問い合わせリソースを減らすためにチャットボット相談で代替
- 既存チャネルをそのまま活用しながら、セールス/マーケティングリソースに切り替え
- 既存チャネルをチャットボット相談で代替し、チャットボットが対応できなかったケースのみ相談へと誘導
返答カバー範囲の設定
サービスの目的に合わせてチャットボットのタイプを選択し、返答のカバー範囲を考慮する必要があります。チャットボットには、大きく分けて閉鎖型返答をするタイプと開放型返答をもするタイプがあります。2つのタイプを併用することもできます。
ユーザーの質問に対し閉鎖型返答のみ提供するチャットボットタイプ
- FAQなどCSに対してのみ返答を提供
- CSの他、サービスに関するテーマ全体に対しても返答を提供
ユーザーの質問に対し開放型返答も提供するチャットボットタイプ
- 配送情報の照会についての返答を提供(どんなタイプの返答を提供するか、何種類のサービスを提供するかを確認・決定する必要がある)
- 修理エンジニアの訪問予約の申込について返答を提供(会員登録・変更などTask処理が必要な返答のタイプとサービスを何種類提供するかを決定する必要がある)
シナリオと対応範囲の設定
シナリオの種類
Mainシナリオ
サービスの主要目的を処理するためのシナリオです。例えば、予約シナリオではユーザーの予約の意図を把握し、予約情報をスロットに入れて予約情報の有効性をチェックし、予約情報を確認・確定するシナリオの流れを構成できます。
<例> ユーザーの意図の把握、注文情報スロットのフィリング、注文情報の有効性チェック、注文の確認、注文の確定など
Repairシナリオ
ユーザーがMainシナリオから外れた際にもう一度Mainシナリオに戻し、サービスの主要目的を達成できるように訂正するシナリオです。
<例> ユーザーの無応答、意図把握の困難など
Globalシナリオ
Mainシナリオではないですが、どの会話からも進入または復帰が可能なシナリオです。
<例> 再発話リクエスト、通話終了、相談員に切替リクエスト、FAQに関するお問い合わせなど
シナリオ対応ポリシーの検討
Repairシナリオのマッチング連続回数
- Mainシナリオにすぐ復帰するかどうか
- Repairシナリオと連続してマッチングされた場合、N回まではMainシナリオに復帰させ、N回を超えた場合はシナリオを終了させる、または相談員につなげる
直前のチャットボット発話を再発話するかどうか
- 直前Mainシナリオでのチャットボット発話を再発話するかどうか
その他の予測シナリオの設計
- 注文の確認、変更、キャンセルに対しても対応するかどうか。
- 当日注文のみ受け付けるのか。
- 団体の注文は何人まで受け入れられのか。
- 品切れになった場合、お勧めの時間を提案するかどうか。
- 注文可能な日付は本日からいつまでにするか。
- 注文完了処理しようとしたら、その間に他の注文が確定されてしまった場合はどう処理するのか。
連携するチャネルの決定
作成したチャットボットを、どのチャネルと連携させるかを決めます。連携するチャネルによっては、CLOVA Chatbotの特定の機能を使用できない場合もあるので、連携するチャネルで実装可能な機能をあらかじめ確認する必要があります。
連携させるチャネルは、以下の基準で選ぶことができます。
- テキスト型
- LINE、TalkTalk、Facebookなどの外部メッセンジャー
- Custom WebやAppなど内部チャネルに取り付けるメッセンジャー
- 音声型:人工知能スピーカーなどの外部デバイス
チャネル別の使用不可機能
各チャネルの使用できない機能は以下のとおりです。
チャネル | 使用不可機能 |
---|---|
LINEメッセンジャー | なし |
NAVER TalkTalk | フィードバック |
- フィードバック - プッシュメッセージ - 固定メニュー | |
NAVER WORKS | - フィードバック - プッシュメッセージ |
CLOVA Extension | - フィードバック - プッシュメッセージ - 固定メニュー |
機能別のサポートチャネル
機能 | サポートチャネル |
---|---|
ウェルカムメッセージ | すべてのメッセンジャー |
連続返答 | すべてのメッセンジャー |
フィードバック | LINEメッセンジャー |
スタンプ返答 | LINEメッセンジャー |
Flex返答 | LINEメッセンジャー |
プッシュメッセージ | - LINEメッセンジャー - NAVER TalkTalk |
固定メニュー | - LINEメッセンジャー - NAVER WORKS - NAVER TalkTalk |
会話データセットの構築
チャットボットエンジンを選択すると、会話を構築していきます。このときにチャットボットが提供する返答のカバー範囲に適合するデータが必要になります。既存のデータをクレンジングして活用することが最も効果的です。サービスの目的によっては活用できないデータがあるため、初めにデータセットを賢く選択しないと学習データの構築にかかる時間を短縮できません。
データクレンジング
会話データセットを構築する前に、データクレンジングを行う必要があります。最も時間がかかり、注意を払うべき作業です。クレンジングされたデータを使用しないと、チャットボットの提供する返答の信頼度が低下し、企業イメージにも負の影響を及ぼしかねません。
チャットボットのデータセットの構築時に活用できる既存のデータは以下のとおりです。
- ホームページの「よくある質問」、「個別のお問い合わせ」など
- チャット相談クエリ
- サポートセンター流入コールの問い合わせタイプ、相談コードなど
- サポートセンターの録音STTデータ
会話データセットの構築担当者の決定が必要
会話を構築するには、サービスドメインに詳しい専門家が必要です。実際にユーザーが何を最も聞いているのか、ユーザーがどんな作業で困難を感じているのかなどについて細かく把握して正確に答える必要があるため、実際の業務担当者(お客様相談員、新商品発売対応のための教育資料の作成者など)に会話データセットの構築を任せるのが一番効率的です。
メンテナンスと配布管理
チャットボットサービスは一度作成したら終わりではありません。継続的な再学習が必要です。特に、新商品の発売など顧客のビジネスに変化が生じた場合には直ちに最新情報を反映する必要があります。そのため、継続的な会話データセットのメンテナンスやサービスの配布管理のために関連作業ポリシーを策定する必要があります。
チャットボットシナリオの企画
どんな流れでチャットボット会話を構成するか、詳細なシナリオを作成します。チャットボットを実行したユーザーに送る最初のメッセージのウェルカムメッセージの構成や、チャットボットが理解できないメッセージが入力された際に返す失敗メッセージ、チャットボットの満足度を評価するフィードバックメッセージなどをどのような方式で提供するかを検討します。また、ユーザーの想定質問やそれに対する返答を用意し、返答はどんな方式で提供するかを決める必要があります。単にテキスト返答を提供することも、外部リンクを与えることもできますが、フォーム、タスク、アクションメソッドを用いてより複雑な会話を構成することもできます。