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高度な設定
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Classic/VPC環境で利用できます。
会話情報上部の [高度な設定] ボタンをクリックすると、様々な詳細機能を設定して豊かな会話を構成できます。コンテキストを設定してマルチターンを構成したり、一般会話またはタスクへと会話の種類を変更することができます。また、ネガティブ設定により学習モデルに役立つネガティブデータを構成したり、会話別にフィードバック応答メッセージを区分して設定することができます。
設定可能な高度な設定の項目は以下のとおりです。
- コンテキストの設定
- 会話の種類の設定
- 会話グループの設定
- タスクの流れの設定
- ネガティブ設定
- フィードバック応答の設定
コンテキストの設定
チャットボットの作成のためにウェルカムメッセージ、複数の一般会話、タスク、失敗メッセージなどを作成したら、これら会話をつなげる作業が必要です。これをコンテキスト設定といいます。コンテキストは会話と会話とをつなげるもので、つながっている会話の文脈を把握するのに活用されます。つなげたい会話のoutputとinputに同じコンテキストを入力してつなげます。
A会話のoutputコンテキストとB会話のinputコンテキストが一致する場合、A会話がマッチングされた後はコンテキストのない他の会話よりコンテキストの一致するB会話が優先してマッチングされます。選択肢型返答を通じてつながっている会話がある場合、コンテキストより選択肢型ボタンにつながっている会話が優先してマッチングされます。
コンテキストを設定する方法は以下のとおりです。
- 会話の登録を参考にして会話情報を入力します。
- 会話情報が登録されると、高度な設定ボタンが有効になります。
- 会話で [高度な設定] ボタンをクリックします。
- [コンテキストの設定] タブでコンテキスト情報を登録します。
項目 | 説明 |
---|---|
コンテキスト強度の設定 | コンテキストルールの強度設定 * Hard:決められたコンテキストの流れ以外の会話への離脱を止めようとする * Soft:決められたコンテキストの流れ以外への会話の離脱を許容 |
Inputコンテキスト | Inputコンテキストを入力。 会話モデルは、入力されたInputコンテキストと過去に実行した会話を通じてユーザーのログに残ったコンテキストを比較して会話の文脈を把握する。ユーザーログに残ったコンテキストとその会話のInputコンテキストが一致すると、つながっている文脈と判断する。 |
Outputコンテキスト | Outputコンテキストを入力。 会話の終了後にユーザーのログに残すコンテキストで、設定された回数または時間を超えるとコンテキストは削除される * 動作:Outputコンテキストの処理方式を設定 - 追加:ユーザーログにそのコンテキストを追加 - 維持:今回のターンに差し引かれるはずだったコンテキストの回数を、差し引かずに維持 - 削除:ユーザーログでそのコンテキストを削除 * 回数の制限:ユーザーのログに残すコンテキストの寿命を、決められた回数で制限する。会話のターンが過ぎるたびに設定した回数は差し引かれ、すべて差し引かれた後はそのコンテキストがユーザーのログから削除される(ただし、スロット会話の聞き返しはコンテキストの寿命とは関係ない)。 * 時間の制限:ユーザーのログに残すコンテキストの寿命を、時間で制限。設定された時間を超えると、そのコンテキストはユーザーのログから削除される |
コンテキストが維持されている間は収集されたスロット情報を記憶しているので、過去の会話から収集されたスロット情報を読み込んで活用すると、より複雑な会話に対応するチャットボットサービスを構成できます。コンテキストを用いてスロット情報を維持する方法の詳細は、タスクの使用をご参照ください。
<例>
例えば、以下のような4つの会話があるとします。
- A会話:予約を行うタスク。日付、人数、時間を確認し、最終返答として予約を行うかどうかを確認する会話
- B会話:ユーザーが「はい」と入力すると、チャットボットが返答として予約確認メッセージを伝達する会話
- C会話:ユーザーが「はい」と入力すると、チャットボットが返答として予約キャンセルメッセージを伝達する会話
- D会話:ユーザーが「はい」と入力すると、チャットボットが返答として「かしこまりました」というメッセージを伝達する会話
予約を行うタスクを通じて予約情報を受け取ってチャットボットが予約を行うかどうかを聞くA会話を実行し、ユーザーが「はい」と返事した場合はチャットボットは質問に「はい」が入力された会話を探します。会話をコンテキストでつなげていない場合は「はい」質問が入力された3つの会話の中からランダムで返事します。しかし、A会話とB会話を「予約を行う」というコンテキストでつなげると、A会話の返事で「はい」と入力した場合、B会話に進むことになります。
会話の種類の設定
チャットボットのサービスシナリオに応じて、一般会話またはタスクを選択できます。
- 一般会話:ユーザーの発話から意図を把握し、登録された返答を返す簡単な会話を構成する場合には、一般会話が適合します。ほとんどのチャットボットは一般会話のみを使用してサービスを構成することができます。
- タスク:ユーザーとのインタラクティブな会話を通じてスロットを収集し、収集したスロットを用いて特定のタスクを実行するという複雑なフローの会話を構成するには、タスクを選択します。タスクを構成する方法についての詳しい説明は、タスクの使用をご参照ください。
返答の登録後には会話の種類を変更できません。返答を登録する前に会話の種類を変更する必要があります。
会話グループの設定
会話グループの設定タブは、会話キャンバスで会話の流れを分離されたページで表示するのに用いられます。そのため、流れがつながっている小さなグループ単位でグループ化することをお勧めします。会話グループを別途指定しない場合は、「Home」会話グループがデフォルト値になります。
タスクの流れの設定
タスクの流れの設定タブでは、タスクと一般会話との間の流れを設定できます。タスクの流れを用いたシナリオについての詳細は、 タスクの使用をご参照ください。
タスクから離脱する
タスク会話で有効になるオプションです。タスクのスロットを埋める過程の中でユーザーがスロットと関係ない質問をした場合、そのタスクからしばらく離脱して一般会話で返す返答を探すことを許容します。ただし、選択肢型フォームまたは記入型フォームが登録された返答や、他のタスクとはマッチングされません。
タスクに割り込む
一般会話で有効になるオプションです。タスクのスロットを埋める過程の中でユーザーがスロットと関係ない質問をした場合、タスクからしばらく離脱してその一般会話を割り込ませることを許可します。
タスクに戻る
一般会話で有効になるオプションです。タスクから離脱して一般会話の返答を返した後、再びタスクに戻るように設定します。
ネガティブ設定
ネガティブ設定は、類似の会話間の微妙な違いを会話モデルに学習させるために用いられます。類似の質問が登録された会話、またはモデルが識別できない他の会話を選択してネガティブとして登録します。これにより、会話モデルは登録されたネガティブ会話と現在の会話との違いを識別します。ネガティブとして登録できる会話の数は最大20個です。
<例>
フィードバック応答の設定
フィードバック応答の設定タブでは、会話に対する顧客の満足度を調査するフィードバック応答メッセージを選択できます。何も設定しなかった場合、基本応答メッセージに設定されたフィードバックが返されます。フィードバック応答メッセージを追加する方法は、フィードバックの登録をご参照ください。